震災復興において、防潮堤や海岸防災林再生や嵩上げ道路など多くの防災インフラ整備、そして高台移転や復興住宅建設などは、時間がかかったとは言え瞬く間に進んでいます。短期間で計画が決定され、美しい海岸線や河川がコンクリートの巨大構造物で埋められていき、無機質とも思える新しい住宅地ができています。一方で災害危険区域に指定されたエリアで進む大規模開発の計画を見るにつけ、他の方法を検討する時間はなかったのだろうかと思います。
そんな中、田澤さんたちは「RE:プロジェクト」事業などで、それまでの暮らしを手放さざるを得なかった方たちに寄り添い、複雑で揺れる想いや記憶をすくい取り、「ここはどういう場所で、どんな暮らしがあったのだろう、地域資源を再発見/再認識/再考する」活動を進めてこられ、多くの方に現状を知らせるとともに、被災者と協働してこられました。
被災者でもいわゆる支援者でもなく、寄り添いつつも俯瞰した視点で語られる田澤さんのお話には、臨場感と共に客観性が感じられ、聞くものの心にも染み入ります。
被災から復興に向けての現状と共に、地域の方々がどのような想いでまちの再生を進めてきたのか。そして、何を感じてきたのかを伺います。東日本大震災により北海道各地に避難・移住された方、北海道民、そして被災地に生きる方々との交流が、未来へのまちづくりの糧になることを願い、私たちは対話を始めます。
震災により避難し、今、北海道にくらしている方にもご参加いただき、一緒に考える時間になれば幸いです。
【日 時】2019年8月5日(月)18:30~21:00
【場 所】豊平館(札幌市中央区中島公園1番20号)下の広間
http://www.s-hoheikan.jp/about
【参加費】ひとり1,000円(学生500円)
(軽食・飲み物1杯付き、持寄り歓迎)
【定 員】20名(先着順) 8月1日(木)までに申込み下さい。
【トークゲスト】
■田澤紘子(公益財団法人仙台市市民文化事業団)
【主催・問合せ】
■北の里浜
花のかけはしネットワーク
https://www.facebook.com/hamahirugao/
メール: hamahirugao.net@gmail.com
私たちが行っている被災沿岸部での植栽交流活動は、地元の人たちとともに、その地域に根ざしていた海浜植物の種を拾い、育て、その地域に戻す。そして、その活動を通じて、さまざまを学び、知恵を持ち帰り、私たちの地域と未来へのかけはしをつくります。
【共催】
■3.11 SAPPORO SYMPO
実行委員会
http://311sapporo-sympo.com/
https://www.facebook.com/311sapporo.sympo/
※この催しは、地球環境基金、札幌市さぽーとほっと基金の助成を受けて実施されます。
【参加申込み】
①下記メールアドレスまでご連絡ください。
hamahirugao.net@gmail.com
②タイトルを「震災×未来ダイアログカフェ#13
参加希望」として、参加者氏名・所属・連絡先やメッセージなどをご記入下さい。
③確認のためこちらから返信しますので、ご確認の上、必ずご返信をよろしくお願いいたします。
【ゲスト プロフィール】
田澤紘子(たざわ・ひろこ)/公益財団法人仙台市市民文化事業団 職員
1982年山形県あつみ温泉生まれ。
千葉大学大学院自然科学研究科博士前期課程(専攻:コミュニティデザイン)修了。民間企業勤務を経て、2009年より公益財団法人仙台市市民文化事業団に勤務。2011年からは東日本大震災で大きく被災した仙台市沿岸部の生活文化に焦点を当てた「RE:プロジェクト」事業や市民参加型プロジェクト「聞書き―あの人に会いに行く」を担当、また、2016年4月より3年間「せんだい3.11メモリアル交流館」に勤務し、多様な地域資源の可視化に取り組んでいる。ほかに、大震災後に立ち上がった市民団体のサポートにも取り組んでいる。
◆RE:プロジェクト http://re-project.sblo.jp/
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東日本大震災の被災地から学び合い、未来につなげます。
あの大災害とその後の復興を通じ、ひとは何を感じ、考え、どう行動し、助け合い、受け容れ、合意し、反発し、何を目指し、何がどう達成され、何がなぜできなかったのか。
私たちが抱えるさまざまな課題も一気に押し寄せ、短期間でたくさんの判断を求められ、古くから強固にある地域コミュニティが機能したり重荷になったりしながら、多方面からの支援なども受けつつ復興へ向かう姿は、良くも悪くもたくさんの学びに満ち、そしてひとのつながりに溢れています。
東日本大震災から7年半を経た今、地理的に近い地域での大災害でもあり、防災や復興については学ぶことは多いにも関わらず、十分に活かされているとは言えず、逆に忘れ去られつつあります。実際に被災されたり自ら復興の活動を行う人の話を聴き、学び合うことで、私たちの防災やコミュニティのあり方を再考するとともに、被災地との新たな関係づくりをしていきたいと思います。
今回は4年目、4回シリーズの第2回、被災した方の複雑で揺れる想いや記憶をすくい取り、記録し、伝え、寄り添い、協働する方との対話です。